サービス空間は多面的に捉えよ!:Literature Memo

こんにちは。Neoです。

更新は気が向いたときにやるくらいがちょうどいいはず。。。
就活、留学準備、研究テーマ探し などなど進捗が少しづつ出てきてメンタルと時間に余裕ができてきた。

ということで、これから気楽に文献レビューをしていきたい。そう気楽に。

今回読んだ論文はこちら。

Kandampully, J., Bilgihan, A., & Amer, S. M. (2022). Linking servicescape and experiencescape: creating a collective focus for the service industry. Journal of Service Management.

ざっくりレビュー:
「servicescape と experiencescapeの概念を整理して将来への道筋を議論する」ことが目的のレビュー論文でした。
消費者を没頭させるために空間は大事だよという内容に、空間作りの際に考慮すべき点を分解して議論したという内容です。

今後に生かそうと思う知識:
”Servicescape”の類義語としての”Atmospheric”、”Atmospere”、”Physical component”。文献探しに生かしたい。

Social affiliation theory:お客さん自体も雰囲気に影響しているよねという理論です。
Attention restoration theory:田舎に逃れたい気持ちのプロセスを説明する理論です。
Technology Readiness Index:技術の貢献度を多面的に評価する指標です。

サービスの質がパフォーマンスの和であるのに対し、顧客体験は全体的な使用価値で評価されていること。つまり、顧客体験の管理には視野を広く持たないといけない事。

デジタル技術を考え方に組み込むことは必須で、組織内のリソースの共有がより円滑になり、顧客志向の体験づくりに貢献できる。

servicescape と experiencescapeを捉えるときは2つのレンズがあり、購買前~購買中~購買後の時間軸と人~組織~ネットワークの社会軸がある。

レトロな空間や本格性のある空間も消費者を体験に没頭させるための手早い手段であること。レストランとか確かにそうだなあなんて思ってしまった。

読んだ背景と感想:
店舗やイベントの空間としての雰囲気に影響されてきた事に気づき、”Servicescape”という概念に興味を持ったため。そして、”Servicescape”についての知識をつけるため読むに至りました。
確かに、成熟市場を中心にコト消費についてどこの企業も言うようになってきています。消費者も目に見える商品ではなくて、体験をより重視していることを認識して、商品を売り出していかないといけないなと感じました。体験を通して消費者の記憶に残り、企業との長期的な関係性を気付くことができ、口コミや再購買といった利益に繋がっていくことが書かれていました。キーとなるのは「いかに体験を消費者の記憶につなげるか」を重きに置きながら、サービスや製品の開発・販売戦略を考えていく必要があるということだなと思いました。記憶に起こる体験を作り上げる手段の一つとして”Servicescape”が大きな役割を果たしているので、自分がこのような場面に携わる時が来たときは、ここを頭から離さずに仕事へ取り組みたいですね。
私自身が興味を持っているAR技術にも技術の部分で生きてくるだろうなと思ったため、研究の方向性はこの分野だなと考えています。空間を作るにあたって、「気楽さ;安心さ;刺激」の三つを大切にしてARだからできる動きとリアルタイムを生かした空間作りを提案できるような社会人ができればいいなと思うのでした。
あと、田舎に行きたいみたいな都会人が最近はどうかわからないけど増えた気がします。地域密着のビジネスが注目されているのも関係しているんじゃないかなと思っています。今回の論文でも”natural experiencescape”という言葉でなぜ人が惹かれるのかを議論されていました。心地よくないチャレンジングな環境は人を疲れさせます。その疲れた状態を回復させてくれる空間が必要だしそこに需要が生まれると思いました。
現実逃避、ウェルカム、快適さの3要素を空間に実現できれば、遠い保養地でなくてもこの感覚は実現できるらしいため、いずれ地元ビジネスのケースが集まるにつれ、ますます都会が住みやすい環境になるんじゃないかなと予想しています。また、デジタル空間でも、この3要素は有利な条件だなと感じました。だから、デジタル空間にはまる人が増えるんでしょうね(単純接触回数が多いのもあるだろうけど)。技術屋さんも良いモノを売れば儲かる時代じゃなくなってきたではなく、良いモノが大切なのは前提条件であって、どのようにそれを使って体験を作り出し、その体験に没頭させるかが今後求められていくのだなということが感じることができました。仕事をするときにおいても、提案や戦略作りの段階でこの視点を大事にしたいです。

 

以上です。無理やり話を作ってくるのではなくて、論文読んで思いを巡らせるって楽しいですね。こんな地味な時間にも面白みを見いだせるのが学生というものでしょうか。

残りの期間も大切に過ごしたいですね。ではまた。

 

 

Profile
The Author

関西出身の関東の国立大学生(4年)。
2022年より、関西に戻って、大学院へ進学予定。

奮起して得た経験や、日頃で感じた考えを書き綴っていきます。

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